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天才的時計師の物語
アブラアム・ルイ・ペルレがル・ロックルに生まれたのは、
時計製造が始まってからわずか
30
年ほどが経過した
1729
年
1
月
9
日のことでした。父ダニエル・ペルレは農業と大工
業を営む一方、ヌーシャテル地方ジュラ山脈の長い冬の間
の副業として時計技師達の為の非常に繊細な工具も作り、
幼い息子アブラアム・ルイは、当時の貧しい環境に育った
子供達と同様、畑や仕事場で両親の仕事を助ける役割を
担っていました。
ペルレは少年期を迎えると、ヌーシャテル地方ジュラ山脈
における時計製造業が次第に重要な意味を持つことを予
測します。
20
才になるとそれまでの仕事を離れ、時計製造
という当時まだ珍しくそれだけに魅力ある分野に専念する
道を選んだのです。
彼が克服すべき最初の障壁は、時計製作の為の適切な工
具がないことでした。その解決のため、ペルレは、専用ピン
セットやヤスリ等の新しい工具の数々を開発しています。
時計の駆動を大幅に改善する新たな機構を数多く発明す
るばかりでなく、より優れた機能も考案し、実現していきま
した。シリンダー脱進機やカレンダー連動の時差修正機能
をもつ時計は、ル・ロックルではペルレが初めて成し遂げ
たのです。その若さにもかかわらず、彼の名声は確固たる
ものとなり、他の多くの時計師達が助言を求めるようにな
りました。
時計独特の困難な問題に苦悩する同僚からの質問に対し
て、ペルレは常に新しい答えを出すことができたのです。
仲間の時計を一瞥するだけでその欠陥を発見し、改良に
向けて協力しました。
沿革
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